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【禁聞】中国 パキスタンの港運営権獲得

2013年03月04日

【新唐人2013年3月4日付ニュース】最近、パキスタンのグワダル港の運営権を中国の国有企業が獲得しました。両国は純粋に商業協力プロジェクトであると発表。しかし、評論家やアナリストはこの辺鄙な港の経済実行可能性を疑問視し、本当の目的は中国の軍事施設建設に使用するのではないかと指摘しています。

 

2月18日、パキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ大統領は、グワダル港の運営権を正式に中国企業に譲渡し、契約はすでにシンガポール港務局(PSA)から海外にある中国企業に移譲されたと発表しました。

 

グワダル港はアラビア海に面し、中東からの原油輸送の要衝ホルムズ海峡付近に位置し、世界のおよそ20%の石油がこの海峡を通過します。しかし、2005年に完成し、2007年からシンガポール港務局が経営管理を託されて以来、ほぼ使用されていない状態でした。

 

グワダル港の運営権が中国に移譲されたことについて、パキスタンでは批判の声が上がっています。港までの道路と鉄道の工事だけでも、完成するまで何年もかかるので、中国との契約ではたして経済利益がもたらされるか疑問視しています。

 

アメリカサウスカロライナ大学の謝田教授は、シンガポール側が何年も運営しても利益がないということからもわかるように、経済的にはほとんど価値のない港だと指摘します。

 

米サウスカロライナ大学 謝田教授

「目の前は海、関連する工業区や商業区もありません。内陸への通り道にして、内陸や中国の西蔵あたりに行こうにもインフラすらありません。商業或いは経済の角度からいえば、ほとんど価値がありません」

 

報道によると、港の建設費用2億5千万ドル(約225億円)のうち、75%を中国が提供するそうです。中国当局はなぜグワダル港への投資を選んだのでしょうか?謝田教授は、中国共産党は明らかに政治的または軍事的角度から考慮して、引き継ぎしたと考えています。

 

米サウスカロライナ大学 謝田教授

「まずこれは経済上の投資ではありません。経済利益のための投資なら収益率を見るはずだからです。実際この港には商業価値はないので、経済投資ではなく、軍事拡張あるいは中央アジアで、影響力を増すための政治的投資に思えます」

 

謝田教授は、この投資は戦略的角度から見ても失敗だと指摘。中国は国際的な影響力を考えているものの、遠く離れた外洋までは届かないからです。経済の上から言えば、なおさら大きな失敗であり、そのツケはいつも最後に中国の民衆にまわってくると述べます。

 

中国企業ウォッチャー・何軍樵(か ぐんしょう)さんは、中国共産党は政治目的や経済活動の為にはどんな代価もいとわないと述べます。非民主的な政府だからこそ行うことで、人民が懸念する部分でもあると指摘します。

 

中国企業ウォッチャー 何軍樵さん

「非民主的な国家では多くのことが、非公開の闇操作です。政治制度が不透明なので、軍事能力も不透明です。歴史的に見て、民主国家の間で戦争が起きたことはありません。非民主主義国による海外の港湾建設に対し、強い懸念を抱くことは正常なことです」

 

中国はグワダル港の運営権を獲得し、アメリカ、ロシア、ペルシャ湾近隣諸国からの注目を受けています。さらにインドでは、中国海軍がこの港を使用するのではないかとの懸念の声が上がっています。

 

米サウスカロライナ大学 謝田教授

「中国はインドと国境問題で対立しており、パキスタン支援を積極的に行っています。中国がここに足を踏み入れたので、インドの強い警戒を引き起こしています。実際に米国や西側諸国も中国の戦略意図を観察し続けるでしょう」

 

一方、パキスタンの元外交官で独立アナリストのアリフ・アユブ氏は、管理権が中国に移譲されても、中国には何の経済利益ももたらされることはないだろうと述べています。これは純粋に功名心にとらわれたプロジェクトで、彼らがずっと手放したかったプロジェクトであると示しました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/02/28/atext854550.html(中国語)

(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

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